Logo

コラム

更新日:2026/07/24  公開日:2026/07/22

【レベル1】Webマーケティング用語47選|経営者とWeb担当者が最初におさえる基本

【レベル1】Webマーケティング用語47選|経営者とWeb担当者が最初におさえる基本

こんにちは、朝倉です。

「代理店から届いたレポートに、ROASとCPAとCVRが並んでいる。数字は良さそうだが、これで本当に儲かっているのか分からない」

——中小企業の経営者から、いちばん多く聞く言葉です。

Webマーケティングの用語は、意味を調べれば5秒で出てきます。しかし本当に必要なのは「意味」ではなく、その数字を見て自社の判断ができることです。

この記事は、その第一歩として押さえるべき47語をまとめました。ひとつ、普通の用語集と違う点があります。

この記事は、CTRやCVRから始めません。「粗利率」から始めます。

理由は単純です。「CPA5万円」が高いのか安いのかは、自社の粗利額を知らなければ永遠に判断できないからです。Webの指標だけを覚えても、判断力は1ミリも上がりません。順番には意味があります。

この記事の位置づけ(レベル1〜5について)

当社では、経営者・Web担当者に必要なマーケティング用語を、習熟度で5段階に分けて解説しています。

レベル到達状態
レベル1(この記事)読める:提案書・レポートの言葉の意味が分かる
レベル2判断できる:その施策が良いか悪いかを自分で評価できる
レベル3配分できる:複数の施策に、根拠を持って予算を割り振れる
レベル4疑える・繋げられる:数字の妥当性を検証し、経営戦略に接続できる
レベル5組み立てられる:発注者を卒業し、自社の仕組みとして回す

この記事を読み終えると、代理店や制作会社との打ち合わせで、話についていけない言葉がなくなります。

全編で使う事例:リフォーム会社A社

  • 用語がバラバラに頭に入らないよう、この記事では一貫して同じ会社を例に使います。

    A社(地方でリフォーム工事を手がける会社)

    年商:1億2,000万円

    平均受注額:100万円/件

    粗利率:30%(=1件あたりの粗利は30万円)

    Web経由の問い合わせから受注に至る割合:20%

    この4つの数字だけで、47語のほとんどが説明できます。逆に言えば、自社のこの4つを言えない状態では、どんな施策も評価できません。

1-A. 収支の基本(10語)

Webの話をする前に、まず自社の「儲けの構造」です。ここが分からないまま広告を出すのは、燃費を知らずに給油量を決めるようなものです。

1. 売上総利益(粗利/あらり)

売上高から、原価を差し引いた利益。

計算式:売上総利益 = 売上高 − 売上原価

A社が100万円のリフォームを受注し、材料費と外注工事費が70万円かかったなら、粗利は30万円です。

なぜ最初にこれかというと、マーケティングに使えるお金の原資は、売上ではなく粗利だからです。売上100万円の案件でも、使えるのは30万円の枠の中だけ。ここを混同したまま「売上が上がったから成功」と判断する事故が、非常に多く起きています。

2. 粗利率(売上総利益率)

売上のうち、何%が粗利として残るかを示す割合。

計算式:粗利率(%)= 売上総利益 ÷ 売上高 × 100

A社は30万円 ÷ 100万円 = 30%

この記事でいちばん覚えて帰っていただきたい数字です。粗利率が分かると、「1件の受注に、最大いくらまで広告費を使えるか」が逆算できます。A社なら、1件あたり30万円の粗利。広告費に15万円使っても、まだ15万円残る計算です(実際には固定費の負担があるので、もっと絞ります)。

業種による差は非常に大きく、飲食業で60〜70%、小売業で20〜30%、建設・工事業で20〜30%、SaaSなど無形サービスで80%超もあります。同じ「CPA1万円」でも、粗利率が違えば意味が正反対になります。

3. 原価率

売上のうち、何%が原価で消えるかを示す割合。粗利率の裏返し。

計算式:原価率(%)= 売上原価 ÷ 売上高 × 100

A社なら70%。粗利率30%と足して100%になります。飲食店では「フードコスト」とも呼ばれ、日常的に管理されている数字です。

ここに注意:Web施策で「値引きキャンペーン」を打つと、売上は伸びても原価率は悪化します。集客数だけを見て成功と判断せず、原価率がどう動いたかを必ずセットで確認してください。

4. 固定費

売上がゼロでも、毎月かかり続ける費用。

家賃、正社員の人件費、リース料、サーバー代、サブスク型ツールの月額費用などです。

Webマーケティングの文脈では、制作会社への月額保守費や、MAツールの月額利用料が固定費にあたります。「月3万円だから安い」と契約したツールが5つあれば、年間180万円の固定費です。売上が落ちた月にも容赦なく出ていきます。

5. 変動費

売上に比例して増減する費用。

材料費、仕入原価、販売手数料、成果報酬型の広告費などです。

固定費と変動費の区別は、リスクの取り方の設計そのものです。当社が「レバレッジ経営(固定費を持たず変動費で構成する)」を重視しているのも、地方の中小企業ほど売上の変動が読みづらく、固定費が経営を圧迫しやすいためです。


6. 損益分岐点(BEP:Break Even Point)

利益がちょうどゼロになる売上高。ここを超えて初めて黒字。

簡易な計算式:損益分岐点売上高 = 固定費 ÷ 粗利率

A社の月間固定費が300万円、粗利率30%なら、300万円 ÷ 0.3 = 月商1,000万円が分岐点です。

この数字を知っていると、広告の目標が具体的になります。「月商1,000万円に届いていない。あと2件、100万円の受注が必要。1件あたり広告費30万円までなら投じる価値がある」——このように、感覚ではなく計算で判断できるようになります。

(※より正確には「限界利益率」で計算します。レベル2で解説します)

7. 販管費(SG&A:販売費及び一般管理費)

商品を作る原価以外の、売るため・会社を回すための費用。

広告宣伝費、人件費、家賃、通信費などが含まれます。Web広告費も制作費も、会計上はここに入ります。

粗利から販管費を引いたものが営業利益です。つまり構造としては、こうなります。

売上高
 −  売上原価
= 売上総利益(粗利)
 −  販管費(←広告費・制作費はここ)
= 営業利益

「広告費は粗利を食う」という位置関係を、図で覚えておいてください。

8. 広告宣伝費比率

売上高に対して、広告費が何%を占めるかの割合。

計算式:広告宣伝費比率(%)= 広告宣伝費 ÷ 売上高 × 100

業種による目安(あくまで参考値):

業種目安
全業種平均売上の3%前後
BtoC通販・化粧品・健康食品10〜20%(それ以上も)
飲食業2〜5%
建設・工事業1〜3%
BtoB製造業1%前後

ここに注意

  • この比率は「同業他社と比べるため」の数字であって、これを守れば儲かるという数字ではありません。粗利率が高い事業なら比率が高くても成立しますし、その逆もあります。あくまで異常値を発見するための健康診断だと考えてください。

9. 営業利益

本業でどれだけ儲けたかを示す利益。

計算式:営業利益 = 売上総利益 − 販管費

Web施策の最終的な評価は、ここが増えたかどうかで決まります。「アクセスが2倍になりました」「問い合わせが増えました」という報告は、営業利益に繋がって初めて成果です。

打ち合わせで使える質問:「その施策で、営業利益はいくら増える見込みですか?」——この一言を投げるだけで、提案の解像度が変わります。

10. キャッシュフロー(資金繰り)

実際に手元を出入りするお金の流れ。利益とは別物。

Webマーケティングで見落とされがちな論点です。広告費は先に出ていき、受注・入金は後から来ます。

A社の例で言えば、5月に広告費50万円を支払い、問い合わせが6月に受注、工事完了・入金が8月——というズレが起きます。帳簿上は黒字でも、手元の現金が尽きれば会社は止まります。

ここに注意:「利益が出るなら広告を増やそう」と判断する前に、入金までの期間(サイト)を確認してください。特に商談期間の長いBtoBや建設業では、これが致命傷になり得ます。

1-B. 費用対効果の基本(7語)

ここからがWebマーケティングの中心です。ただし、すべて前章の「粗利」と結びつけて読んでください。

11. ROI(アールオーアイ/投資収益率)

投じたお金に対して、どれだけ利益が返ってきたかを示す指標。

計算式:ROI(%)= (利益 − 投資額) ÷ 投資額 × 100

A社が広告費50万円を投じて、2件受注(粗利60万円)できたとします。 ROI = (60万 − 50万) ÷ 50万 × 100 = 20%

ROIがプラスなら投資として成立、マイナスなら赤字です。ROASと違い、ROIは「利益」で見る——これが決定的な違いです。次項でその違いを説明します。

12. ROAS(ロアス/広告費用対効果)

広告費1円に対して、いくらの「売上」が返ってきたかを示す指標。

計算式:ROAS(%)= 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100

この記事で最も注意して読んでいただきたい用語です。

代理店のレポートに「ROAS 300%達成!」と書かれていたとします。広告費100万円で売上300万円。一見、大成功に見えます。

しかしA社の粗利率は30%です。売上300万円の粗利は90万円。そこから広告費100万円を引くと、10万円の赤字です。

見え方数字
ROAS300%(好調に見える)
売上300万円
粗利(30%)90万円
広告費−100万円
実際の損益−10万円(赤字)

ここに注意

  • ROASは売上ベースの指標です。粗利率を掛けずにROASだけで判断すると、「好調な赤字」を垂れ流すことになります。ROASの損益分岐点は「1 ÷ 粗利率」で計算できます。A社なら1 ÷ 0.3 = 約333%。ROAS 333%を超えて、ようやくトントンです。

13. CPA(シーピーエー/顧客獲得単価)

成果(コンバージョン)1件を獲得するのに、いくらかかったか。

計算式:CPA = 広告費 ÷ コンバージョン数

A社が広告費50万円で問い合わせを25件獲得したなら、CPAは2万円です。

CPAの本当の使い方は、「いくらだったか」の集計ではなく、「いくらまで許容できるか」の事前設定にあります。A社の場合:

  1. 問い合わせから受注に至る割合:20%
  2. つまり受注1件に必要な問い合わせ数:5件
  3. 受注1件の粗利:30万円
  4. 問い合わせ1件あたりの上限CPA:30万円 ÷ 5件 = 6万円

この6万円が上限ライン。実際には固定費や利益を残す必要があるので、目標CPAは2〜3万円に設定します。この計算をせずに広告を始めるのが、いちばん多い失敗です。

14. CPC(シーピーシー/クリック単価)

広告が1回クリックされるごとにかかる費用。

計算式:CPC = 広告費 ÷ クリック数

リスティング広告の基本単位です。競合が多いキーワードほど高騰し、「リフォーム 三重」のような地域+業種ワードでも数百円〜千円台になることは珍しくありません。

CPCが高いこと自体は問題ではありません。CPCが高くても、CVRが高ければCPAは下がります。単価だけを見て「高いから止める」と判断しないでください。

15. CPM(シーピーエム/インプレッション単価)

広告が1,000回表示されるごとにかかる費用。

計算式:CPM = 広告費 ÷ 表示回数 × 1,000

主にディスプレイ広告やSNS広告で使われます。クリックではなく表示に対して課金されるため、認知拡大が目的の施策で用いられます。

ここに注意:CPM課金の広告は、クリックも問い合わせもゼロでも費用が発生します。「安く大量にリーチできた」という報告を受けたときは、それが売上に繋がる導線を持っているかを必ず確認してください。

16. CPL(シーピーエル/リード獲得単価)

見込み客(リード)1件を獲得するのにかかった費用。

計算式:CPL = 広告費 ÷ 獲得リード数

資料請求、メルマガ登録、LINE友だち追加など「まだ購入していないが、連絡先を取得できた人」1件あたりの単価です。

BtoBや、検討期間が長い高額商材(住宅・リフォーム・車・保険など)では、CPAよりCPLで管理するほうが実態に合います。

17. CPO(シーピーオー/注文獲得単価)

実際の「受注・購入」1件あたりにかかった費用。

計算式:CPO = 広告費 ÷ 受注数

CPAとCPOは混同されがちですが、実務では区別が重要です。

指標何を1件と数えるか
CPL資料請求・問い合わせなどの見込み客
CPA設定した「成果」(定義は現場次第)
CPO実際の受注・購入

ここに注意

  • 「CPAが下がりました」という報告が来たら、まず「何を1件と数えていますか?」と聞いてください。成果地点の定義を緩くすれば、CPAはいくらでも下がります。ここは代理店との認識ズレが最も起きやすいポイントです。

1-C. 顧客の基本(6語)

1回の取引だけを見ていると、判断を誤ります。顧客を「関係の総額」で見る視点です。

18. LTV(エルティーブイ/顧客生涯価値)

1人の顧客が、取引の終わりまでに自社にもたらす利益の総額。

簡易な計算式:LTV = 客単価 × 購入頻度 × 継続期間 × 粗利率

A社の例。リフォームは一度きりに見えますが、実際には水回り→外壁→外構と、10年かけて複数回発注されることが珍しくありません。

100万円 × 3回(10年間)× 粗利率30% = LTV 90万円

初回受注だけを見れば粗利30万円。しかしLTVで見れば90万円。この差が、投じられる広告費の上限を3倍変えます。

ここに注意:LTVを高く見積もりすぎるのは危険です。「将来これだけリピートするはず」という願望で広告費を膨らませ、実際には回収できないケースが多発します。実績データで裏を取れる範囲で計算してください。

19. CAC(キャック/顧客獲得コスト)

新規顧客を1人獲得するのにかかった、すべてのコスト。

計算式:CAC = (広告費 + 人件費 + ツール費など) ÷ 新規顧客数

CPAとの違いは、CACは広告費以外も含む点です。営業担当の人件費、商談の移動費、制作費なども入ります。実態としてのコストはCPAよりかなり大きくなるのが普通です。

LTVとCACの関係が、事業の健全性を測る最重要のペアになります(詳しくはレベル2で解説します)。ここでは「LTV > CAC でなければ、売れば売るほど赤字」という原則だけ覚えてください。

20. 客単価

顧客1人が1回の取引で支払う平均金額。

計算式:客単価 = 売上高 ÷ 客数

集客数を増やすのは大変ですが、客単価を10%上げるのは比較的容易です。しかも客単価の上昇分は、ほぼそのまま粗利になります(原価が比例して増えないため)。

Web施策を考えるとき、「アクセスを増やす」の前に「単価を上げる」を検討すると、費用対効果が跳ね上がることがよくあります。

21. 平均注文額(AOV:Average Order Value)

1回の注文あたりの平均金額。ECでよく使われる客単価。

計算式:AOV = 総売上 ÷ 総注文数

「あと3,000円で送料無料」「まとめ買い割引」といった施策は、すべてAOVを引き上げるためのものです。集客コストが変わらないまま単価が上がるため、利益への効き方が非常に良い領域です。

22. 購入頻度

一定期間内に、顧客が何回購入したかの平均。

計算式:購入頻度 = 期間内の購入回数 ÷ 顧客数

LTVを構成する3要素(単価 × 頻度 × 期間)のひとつです。

飲食店なら「月に何回来店するか」、リフォーム会社なら「10年で何回発注するか」。頻度を上げる施策(DM、LINE配信、定期点検の案内など)は、新規獲得より圧倒的に低コストで効きます。

23. リピート率

一度購入した顧客のうち、再び購入した人の割合。

計算式:リピート率(%)= リピート購入者数 ÷ 全購入者数 × 100

新規顧客の獲得コストは、既存顧客の維持コストの5倍かかると言われます(1:5の法則)。

ここに注意:広告予算の話になると、ほぼ全員が新規獲得の話しかしません。しかしリピート率が5%上がるだけで利益が大きく改善することは珍しくありません。「新規を増やす」の前に「なぜ二度目がないのか」を検証すべきケースが、地方の中小企業では特に多いと感じています。

1-D. 目標と指標(10語)

代理店のレポートに並ぶ数字たちです。ここまで読んだ方は、これらを「粗利に繋がるか」という目で見られるはずです。

24. KGI(ケージーアイ/重要目標達成指標)

最終的に達成したいゴールを、数字で表したもの。

「年商1.5億円」「営業利益2,000万円」「新規受注120件」など。経営目標そのものです。

Web施策の相談で最初に確認すべきは、ここです。KGIが決まっていない状態で「アクセスを増やしましょう」という提案が出てきたら、それは目的地を決めずに走り出しているのと同じです。

25. KPI(ケーピーアイ/重要業績評価指標)

KGIに到達するための、途中経過を測る中間指標。

A社の例:

  • KGI:年間受注120件
  • KPI:月間問い合わせ50件/問い合わせからの受注率20%/CPA 2万円

KGIは「結果」、KPIは「そこに至るプロセス」です。KPIの良いところは、月次で軌道修正できる点にあります。年度末に「未達でした」と分かっても手遅れですが、KPIなら3ヶ月目に異常を察知できます。

ここに注意

  • KPIは増やしすぎると機能しません。3〜5個に絞ってください。20個並んだKPIシートは、誰も見ないダッシュボードになります。

26. CVR(シーブイアール/コンバージョン率)

サイトを訪れた人のうち、成果に至った人の割合。

計算式:CVR(%)= コンバージョン数 ÷ セッション数(または訪問者数)× 100

A社のサイトに月1,000セッションあり、問い合わせが20件なら、CVRは2%です。

業種にもよりますが、BtoCの問い合わせ型サイトで1〜3%、BtoBの資料請求で1〜2%程度が一般的なレンジです。

CVRの改善は、広告費を増やさずに成果を増やせるという点で、最も費用対効果の高い打ち手になり得ます。CVRが1%から2%になれば、同じ広告費で成果が2倍です。

27. CTR(シーティーアール/クリック率)

表示された広告やリンクが、クリックされた割合。

計算式:CTR(%)= クリック数 ÷ 表示回数 × 100

広告のクリック率、検索結果でのクリック率(SEOの文脈)などで使います。

CTRが低い=「見られているが、興味を持たれていない」。広告文やタイトルの問題です。一方、CTRは高いのにCVRが低い場合は、「期待させて着地させた先が期待外れ」——つまりランディングページの問題です。どこで止まっているかの切り分けに使う指標だと考えてください。

28. インプレッション(imp/表示回数)

広告やコンテンツが表示された回数。

同じ人に3回表示されれば、3インプレッションです。

ここに注意:レポートで最も見栄えのする数字であり、同時に最も成果と関係が薄い数字でもあります。「10万インプレッション獲得!」という報告を受けたら、そこから何件の問い合わせが生まれたかを必ず確認してください。

29. リーチ

広告やコンテンツが届いた「実人数」。

インプレッションとの違いは、重複を除く点です。同じ人に3回表示された場合、インプレッションは3ですが、リーチは1です。

用語数えるもの
インプレッション表示された延べ回数
リーチ届いた実人数

認知拡大が目的の施策では、リーチのほうが実態を表します。

30. セッション(訪問数)

ユーザーがサイトを訪れてから離れるまでの、一連の行動のまとまり。

同じ人が朝と夜に訪問すれば、2セッションです。「何回訪問されたか」を示します。

31. UU(ユーユー/ユニークユーザー)

サイトを訪れた「実人数」。

同じ人が10回訪問しても、1UUです。

3つの数字の関係を整理します。

用語意味同じ人が朝夜2回訪問し、各3ページ見た場合
UU実人数1
セッション訪問回数2
PVページ閲覧数6

レポートを読むときは、どの数字で語られているかを必ず確認してください。PVは実態の6倍に見えることがあります。

32. 直帰率・離脱率

直帰率=1ページだけ見て帰った割合。離脱率=そのページで見終えた割合。

なお、現在のGA4では直帰率の定義が変わり、「エンゲージメントのなかったセッションの割合」を指します。10秒以上の滞在、2ページ以上の閲覧、コンバージョンのいずれかがあれば「エンゲージメントあり」と判定されます。古いGA(ユニバーサルアナリティクス)の定義とは異なるので、過去データと比較する際は注意が必要です。

ここに注意

  • 直帰率が高い=悪い、とは限りません。電話番号と地図だけを見に来たページなら、直帰率90%でも大成功です。指標の善し悪しは、ページの役割によって変わります。

33. リード

見込み客。まだ購入していないが、連絡先を取得できた相手。

資料請求者、問い合わせ者、LINE登録者、名刺交換した相手などです。

Webマーケティングの多くは、**「リードを集める」→「関係を育てる」→「受注する」**という流れで設計されます。リードを何件持っているかは、来期の売上の先行指標です。

1-E. 戦略のことば(10語)

数字の前に、そもそも「誰に、何を、どう売るか」を決める言葉です。

34. STP(エスティーピー)

市場を分けて(S)、狙いを定めて(T)、立ち位置を決める(P)という、戦略設計の基本手順。

  • Segmentation(セグメンテーション):市場を分ける
  • Targeting(ターゲティング):狙う相手を決める
  • Positioning(ポジショニング):その相手の中でどう見られるかを決める

マーケティング戦略の出発点であり、この3つが曖昧なまま作られたサイトは、ほぼ確実に成果が出ません。「誰に向けたページか分からない」という状態になるためです。

35. セグメンテーション(市場細分化)

市場を、似た性質を持つグループに分けること。

地域、年齢、性別、家族構成、業種、企業規模、悩みの種類など、切り口はさまざまです。

A社なら「築20年以上の戸建てに住む50〜60代」「賃貸物件を持つオーナー」「新築を検討中の30代」といった分け方になります。それぞれ、響く言葉がまったく違います。

36. ターゲティング

分けた市場の中から、実際に狙うグループを決めること。

重要なのは、「狙わない」を決めることです。「幅広い層に対応できます」というメッセージは、結果として誰にも刺さりません。

地方の中小企業は、大手と同じ土俵で戦えません。だからこそ、大手が手を出さない狭い領域を選ぶことが最大の武器になります。

37. ポジショニング

顧客の頭の中で、自社がどんな存在として認識されるかを設計すること。

「安い会社」なのか、「地元で40年、いつでも駆けつけてくれる会社」なのか。

ここに注意

  • ポジショニングは自社が主張するものではなく、顧客の頭の中に存在するものです。「うちは技術力が高い」と自称しても、顧客がそう認識していなければ、そのポジションは存在しません。

38. ペルソナ

ターゲットを、実在する一人の人物のように具体化した人物像。

年齢、職業、家族構成、悩み、情報収集の手段、意思決定のきっかけまで書き込みます。

ペルソナの本当の効果は、「制作物の判断基準になること」です。「このキャッチコピー、どうします?」と迷ったとき、「この人が読んで刺さるか?」で決められる。社内・外注先との合意形成コストが劇的に下がります。

ここに注意:作って満足し、二度と見返さないペルソナ資料が非常に多いです。使わないなら作る意味はありません。

39. 4P

売り手側から見た、マーケティングの4つの構成要素。

要素内容
Product(製品)何を売るか
Price(価格)いくらで売るか
Place(流通)どこで売るか
Promotion(販促)どう伝えるか

Webマーケティングの相談は、そのほとんどがPromotion(どう伝えるか)だけの話になりがちです。しかし売れない原因が、実は価格設定や商品そのものにあるケースは非常に多い。「広告で解決すべき問題か」を疑う枠組みとして使ってください。

40. 3C分析

顧客・競合・自社の3つの視点から事業環境を整理するフレームワーク。

  • Customer(市場・顧客):顧客は何を求めているか
  • Competitor(競合):競合は何を提供しているか
  • Company(自社):自社は何ができるか

この3つが重なる領域が、勝てる場所です。特に見落とされるのがCompetitor。「競合サイトを5社分、実際に問い合わせてみる」だけで、驚くほど多くのことが分かります。

41. SWOT分析

自社の強み・弱み・機会・脅威を4象限で整理するフレームワーク。

プラス要因マイナス要因
内部環境Strength(強み)Weakness(弱み)
外部環境Opportunity(機会)Threat(脅威)

ここに注意

  • SWOTは書いただけでは何も生みません。「強みを使って機会をつかむには?」というように掛け合わせて初めて戦略になります(クロスSWOT/レベル4で解説)。埋めて満足するのが最も多い失敗パターンです。

42. 市場シェア

市場全体の売上に対して、自社が占める割合。

計算式:市場シェア(%)= 自社の売上 ÷ 市場全体の売上 × 100

中小企業にとって重要なのは、**全国シェアではなく「狭く区切った市場でのシェア」**です。「三重県のリフォーム市場」ではなく「明和町・多気町の水回りリフォーム」まで絞れば、1位を取れる可能性が見えてきます。

1位になると、口コミ・紹介・指名検索が回り始め、広告費が下がります。狭くてもいいから1位を取る——これが地方企業の基本戦略です。

43. ブランド認知

どれだけの人が、自社の名前を知っているかの度合い。

「◯◯といえば?」と聞かれて社名が挙がるのが純粋想起、社名リストを見せて「知っている」と答えるのが助成想起です(詳しくはレベル2で解説)。

認知は、Web上では指名検索の数で測れます。「A社 リフォーム」で検索される回数が増えていれば、認知は確実に育っています。

ここに注意:認知施策は、すぐには成果が出ません。短期のCPAだけで評価すると、必ず「無駄」と判定されます。評価する時間軸を分けることが必要です(レベル3で解説)。

1-F. 最初に知る落とし穴(4語)

ここまで46語を学びました。最後に、それらの数字に騙されないための4語です。

44. バニティメトリクス(虚栄の指標)

見栄えは良いが、事業成果とほとんど関係のない指標。

代表例:PV数、インプレッション、フォロワー数、いいね数、SNSの表示回数。

これらは上げようと思えば比較的簡単に上げられ、しかも報告書で映えるという性質を持ちます。だからこそ、報告書に多用されます。

見分け方はシンプルです。「その数字が2倍になったら、売上はいくら増えますか?」と質問してください。答えられない指標は、バニティメトリクスです。

45. PV至上主義

ページビュー(閲覧数)の増加を、目的そのものにしてしまう状態。

「アクセスが3倍になりました」——嬉しい報告ですが、問い合わせが増えていなければ、事業的な意味はほぼありません。

実際によくあるのが、関係のない検索キーワードで大量に流入し、PVだけが伸びているケースです。リフォーム会社のサイトに「壁紙の張り方DIY」の記事でアクセスが集まっても、その人は工事を発注しません。

46. 制作費と運用費の混同

サイトを作る費用と、成果を出し続ける費用を、同じものとして扱ってしまうこと。

Webサイトは、作った瞬間が完成ではなくスタートです。しかし多くの企業が制作費に予算を全部使い切り、運用費をゼロにしてしまいます。

目安として、初年度は「制作費と同額以上を運用(広告・改善・コンテンツ)に充てる」ことをおすすめしています。200万円のサイトを作って広告費ゼロなら、それは看板を裏山に立てたのと同じです。

47. フォロワー数の実質価値

SNSのフォロワー数が、そのまま購買力を意味するわけではないということ。

1万フォロワーいても、地元の顧客が100人しかいなければ、地域ビジネスとしての価値は限定的です。逆にフォロワー300人でも、全員が商圏内の見込み客なら極めて強い資産です。

ASAKURAの一言

  • フォロワー数は購入できます。しかし購入したフォロワーは、絶対に商品を買いません。数ではなく「誰がフォローしているか」を見てください。

レベル1 到達チェックリスト

以下にすべて答えられれば、レベル1(=読める)は達成です。

  • 自社の粗利率を即答できる
  • 自社の平均客単価を即答できる
  • 1件の受注に、いくらまで広告費をかけてよいかを計算できる
  • ROASとROIの違いを説明できる
  • CPA・CPL・CPOの違いを説明できる
  • UU・セッション・PVの違いを説明できる
  • 自社のKGIとKPIが言える
  • レポートの数字を見て「これはバニティメトリクスでは?」と疑える

3つ以上「答えられない」があった場合、その状態でWeb施策を評価するのは危険です。まずは自社の数字を確認するところから始めてください。

まとめ:レベル1のいちばん大事な話

47語を通して、繰り返しお伝えしたことがひとつあります。

Webの指標(CTR・CVR・PV)は、単体では何の意味も持ちません。粗利と結びついて初めて、判断材料になります。

「ROAS 300%」は、粗利率30%の会社にとっては赤字でした。「CPA 2万円」は、粗利30万円の会社にとっては優秀でした。同じ数字が、会社によって正反対の意味を持ちます。

だからこの記事は、粗利率から始めたのです。

次のレベル2「判断できる」では、限界利益、LTV/CAC比、KPIツリー、そして「CVRの母数トリック」といった、実際に施策の良し悪しを評価するための62語を解説します。

Web施策の評価に、第三者の目が必要なとき

数字の読み方が分かっても、「自社の場合はどう判断すべきか」は、外からの視点があったほうが早いことがあります。

株式会社ASAKURAでは、三重県の中小企業を中心に、Webマーケティングとデジタル活用の伴走支援を行っています。

  • 無料サイト診断:現在のサイトの課題を、数字ベースでお出しします
  • 初回60分の無料相談:Zoomで、現状の施策が投資として妥当かをご一緒に検証します
  • 三重県内限定「スタバで作戦会議」:かしこまった商談が苦手な方へ

「今の代理店の提案が妥当か、意見だけ聞きたい」というご相談も歓迎です。

この記事は「経営者のためのマーケティング用語辞典」シリーズのレベル1です。レベル2以降も順次公開予定です。

一覧に戻る

代表について

代表 朝倉 健介

株式会社 ASAKURA

朝倉 健介

「情報サービスと技術の力で、地方に変革を起こす」──その一心で、金融の世界を離れ、地元・三重で会社を立ち上げました。派手な言葉より、目の前の一社の売上を本気で動かすこと。地域に根を張り、お客様の一歩先を照らす存在であり続けたい。それが私の変わらぬ約束です。