その広告、大丈夫ですか?ウェブ広告を出す前に知っておきたい「景品表示法」の基礎知識
「これから広告を出して、もっとお客様に知ってもらいたい」——そう考えたとき、多くの方が真っ先に気にするのは「どんなキャッチコピーが響くか」「予算はいくらか」だと思います。
でも、実はその前に押さえておくべき、もっと大事なことがあります。それが 景品表示法(景表法) です。
「法律の話はちょっと苦手…」と身構えてしまうかもしれません。ですが、これは弁護士だけが知っていればいい話ではありません。ウェブ広告を出すすべての事業者が、知らないうちに違反してしまうリスクを抱えています。しかも「知らなかった」では済まされないのが、この法律の怖いところです。
この記事では、専門用語をできるだけかみ砕きながら、広告出稿の前に最低限おさえておきたいポイントをお伝えします。
景品表示法とは、ざっくり言うと「大げさ・ウソ広告の禁止ルール」
景品表示法は、消費者が商品やサービスを正しく選べるように、事業者の広告表示を規制する法律です。名前に「景品」とありますが、ウェブ広告で問題になるのはほとんどが 「表示(=広告の中身)」 の方です。
規制されるのは、大きく分けて次の3タイプの「不当表示」です。

① 優良誤認表示 —「実際より良く見せる」広告
商品の品質や効果を、実際よりも、あるいは他社よりも著しく優れていると思わせる表示です。
- 「シミが消える」「必ず痩せる」など、根拠のない効果をうたう
- 「業界最高品質」なのに、それを裏付けるデータがない
ポイントは 「著しく」 という言葉。多少の言い回しの工夫はセーフですが、その表示があることで消費者が誤解して買ってしまう、というレベルになるとアウトです。
② 有利誤認表示 —「実際よりお得に見せる」広告
価格や取引条件を、実際よりお得だと誤解させる表示です。
- 「通常価格19,800円 → 今だけ9,800円」なのに、その通常価格で売った実績がほとんどない(二重価格表示)
- 「今だけ半額」が、実はずっと半額のまま常態化している
③ ステルスマーケティング —「広告なのに広告と分からせない」表示
近年もっとも注意が必要なのがこれです。2023年10月から、ステマ(ステルスマーケティング)そのものが景品表示法違反 になりました。
「広告なのに、それを隠して第三者の感想のように見せる」ことが禁止されています。ウェブ広告・SNS運用の現場では、ここでの事故が急増しています。
ウェブ広告で特に「うっかり」やってしまいがちな落とし穴

理屈は分かっても、実際の運用ではどこで足を踏み外すのか。よくあるパターンを挙げます。
インフルエンサー投稿・SNSでの「PR」表記漏れ
報酬を払って投稿してもらうなら「PR」「広告」などの明示が必須です。うっかりしやすいのが、その投稿を自社サイトやLPに転載するとき。SNS側には「PR」と入れていたのに、転載先のサイトで表記が抜けてしまい、それだけで行政処分を受けた大手企業の事例も実際にあります。「投稿」と「転載」をワンセットでチェックする意識が必要です。
口コミ・レビューの依頼
「高評価のレビューを書いてくれたら割引します」——よくある販促に見えますが、対価と引き換えに好意的な口コミを書かせる行為はステマに該当し得ます。実際に措置命令が出ています。
「No.1」「満足度94%」表示 使うこと自体はNGではありませんが、いつ・誰に・どんな方法で調べたか という調査の根拠が問われます。あいまいなアンケートを根拠にすると、優良誤認になります。
打ち消し表示(小さな注釈) 大きな文字で強く訴求し、条件を注釈で小さく書く手法。この注釈で本文の誤解を打ち消せるとは限らず、実質的に消費者を誤認させると判断されます。
体験談・ビフォーアフター
「個人の感想です」と書いても万能ではありません。効果をうたうなら、その裏付け(合理的な根拠)が必要です。
2024年10月の法改正で「知らなかった」が通用しなくなった

「うっかりだったんです」で許してもらえる時代ではなくなりました。2024年10月1日に施行された改正で、規制が一段と厳しくなっています。
- 直罰の新設:優良誤認・有利誤認について、行政手続きを経ずに 100万円以下の罰金 を直接科せるようになりました。
- 課徴金の強化:違反で得た利益に応じた課徴金に加え、繰り返した場合の割増も導入されました。金額は数百万〜数千万円規模になることもあります。
- 企業名の公表:処分を受けると社名が公表され、報道されます。罰金以上に、積み上げてきた信用が一瞬で崩れるダメージが大きいのです。
行政の取り締まりも年々活発になっており、SNS・アフィリエイト・レビュー施策への監視は強まる一方です。
「代理店に任せてるから大丈夫」は、本当に大丈夫?

ここが、事業者の方に一番お伝えしたいことです。
景品表示法で責任を問われるのは、原則として 広告を出した事業者(=あなたの会社) です。「制作会社が勝手に作った表現だから」という言い訳は基本的に通用しません。さらに、表示の中身を一緒に決めた代理店側も、関与の度合いによっては責任を負うことがあります。
つまり大切なのは、「派手に売ってくれる業者」ではなく、「法律を踏まえたうえで成果を出せるパートナー」を選ぶこと。出稿前にリスクを一緒にチェックしてくれる体制があるかどうかで、安心感はまるで変わります。
出稿前セルフチェックリスト
広告を世に出す前に、最低限これだけは確認してください。
チェックリスト
- 効果・性能をうたう表現に、裏付けとなる根拠データがあるか
- 「No.1」「満足度○%」の調査方法・出典を説明できるか
- 通常価格・参考価格に、実際の販売実績があるか
- インフルエンサー投稿・提供案件に「PR」等の明示があるか
- その投稿を 自社サイト・LPに転載するときも 表記が抜けていないか
- 見返りと引き換えに口コミ・レビューを依頼していないか
- 注釈(小さい文字)で、本文の強い訴求を打ち消していないか
まとめ:広告は「攻め」と「守り」の両輪で
ウェブ広告は、正しく使えば地方の中小企業にとって強力な武器になります。ですが、アクセルだけ踏んでブレーキ(法令チェック)を持たないと、大きな事故につながりかねません。
とはいえ、経営者の方がすべての法律を完璧に把握するのは現実的ではありませんし、そこに時間を使うべきでもありません。「よく分からなくて怖い」その部分こそ、私たちのようなパートナーの出番 です。
ASAKURAでは、成果を出すためのウェブ広告運用はもちろん、「その表現、大丈夫かな?」という不安をつぶすところまで一緒に伴走します。三重県内であれば、カフェで気軽に作戦会議、という形でもご相談いただけます。
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「広告を出したいけど、何から気をつければいいか分からない」——その段階のご相談こそ、大歓迎です。