「立派なサイトは、いりません」わらい様
三重県松阪市愛宕町。松阪駅から歩いて10分、古くから続く繁華街にあるスナック「わらい」様。
令和6年9月にオープンされたお店です。
ご相談は、予算を抑えて1ページのサイトを持ちたいというものでした。 そのお話を伺って、こちらからお伝えしたのは、サイトにお金をかけないほうがいいという提案でした。
| 内容 | 詳細 |
|---|---|
| クライアント | わらい 様(三重県松阪市愛宕町) |
| 業種 | スナック |
| ご支援内容 | 要件定義・Webデザイン・実装・Googleビジネスプロフィール設定 |
| 形式 | 1ページ完結型のランディングページ |
| 制作期間 | 約3週間 |
| サイト | https://www.warai-matsusaka.com/ |
予算を、どこに置くか
制作会社としては、たくさんページを作らせていただいたほうが売上になります。 それでも今回、凝ったホームページは必要ないと判断しました。
理由は業種にあります。
夜のお店を探している人が、どう動くかを考えてみます。 松阪の繁華街まで来て、スマートフォンを開き、「この辺で入れるお店はどこか」を調べる。あるいは、人に聞いた店名を確かめる、またはキャッチに捕まる。
そのとき最初に開かれるのは、Googleマップと検索結果です。 お店のホームページではありません。
つまりこの業種では、サイトは入口ではなく、確認の場所です。 地図で見つけて、名前を検索して、「今日はやってるのかな」「どんな雰囲気かな」を確かめる。その一手間に応えるためにサイトがある。
だとすれば、限られたご予算を配る先は決まります。
- 見つけてもらう場所 = Googleビジネスプロフィール
- 確かめてもらう場所 = 1ページのサイト
サイトに全部使わない。 これが今回いちばん大事な判断でした。
無理をして立派なものを作る必要はありません。ただ、結果は出す必要があります。 そのために、どこにお金を置くかを一緒に決めました。
Googleビジネスプロフィールを、先に整える

そこで、サイト制作とあわせてGoogleビジネスプロフィールの設定も担当させていただきました。
店舗ビジネスの場合、ここが実質的な入口です。 店名、住所、営業日、電話番号、写真、地図上の位置。検索した人が最初に目にする情報のほとんどが、ここに入っています。
見落とされがちですが、サイトを作る前にここが整っていないと、そもそもサイトまで到達してもらえません。 順番としては、こちらが先です。
結果として、地域名を含む検索で上位に表示されるようになり、集客につながっています。
1ページに、何を載せないか
サイトは1ページです。上から下へスクロールするだけの構成にしました。
1ページにするというのは、情報を減らすことではありません。載せる順番を決めきるということです。ページを分ければ「詳しくはこちら」で逃げられますが、1ページではそれができません。
そこで、来店前に知りたいことだけに絞りました。
コンセプト → 営業日 → 店内の様子 → ご予約・システム → お店情報・アクセス → Instagram
上から順に、「どんな店か」「今日やってるか」「中はどんな感じか」「いくらくらいか」「どこにあるか」 に答える並びです。
なかでも重要だったのが 営業日 でした。
スナックは、定休日が曜日で決まっていても、貸切や臨時休業があります。「今日、開いてますか」は、この業種でいちばん多い問い合わせです。
そこで、Googleカレンダーをページに組み込みました。
理由は、店主様が更新できるからです。専用の管理画面を作れば、その使い方を覚えていただく必要があります。Googleカレンダーなら、普段お使いのアプリからそのまま更新できて、それがサイトに反映されます。
いちばん更新頻度が高い情報を、いちばん更新しやすい道具に載せる。 予算をかけずに運用を回すには、ここを外さないことだと考えています。
店とサイトの印象を、ずらさない

デザインで意識したのは、店主様の人柄に合わせることでした。
夜のお店のサイトは、黒い背景に金の文字、といった方向に寄せることもできます。かっこよくは見えます。 ただ、それをやると、実際のお店との印象がずれます。
「わらい」様は、おひとりでも入りやすい、明るくてアットホームなお店です。 サイトを高級店のように見せてしまうと、来られた方が「思っていたのと違う」と感じます。そして、スナックは一度きりのお客様では続かない商売です。 また来ようと思っていただけるかどうかが、すべてです。
だとすれば、サイトの役割はたくさんの人を呼ぶことではなく、合う人に来てもらうことになります。
そこで、やわらかく、あたたかい方向で設計しました。店内の写真をそのまま見せ、無理に飾らない。サイトを見て想像した雰囲気と、扉を開けたときの雰囲気が、できるだけ同じになるように。
期待を上げすぎないことも、デザインの仕事です。
05. 3週間で公開しました
要件定義、デザイン、実装まで、約3週間。
早く進んだのは、急いだからではありません。作るものを絞ったからです。 何を作らないかが最初に決まっていれば、迷う場面がそもそも生まれません。
Web制作会社に相談すると、たいてい「もっと作りましょう」と言われます。そのほうが、こちらの売上になるからです。
でも今回は、そうしませんでした。夜のお店を探している方は、まずGoogleマップを開きます。ホームページを開くのは、その次です。だったら、限られたご予算はマップ側に置くべきだと思いました。
こういう提案は、少し勇気がいります。仕事を小さくしているわけですから。ただ、無理して作ったサイトが動かないのを見るほうが、私はつらいです。
松阪は私の生活圏です。近所のお店が続いていくお手伝いができるのは、うれしいことです。
まとめ
Web制作会社に相談すると、たいてい「もっと作りましょう」と言われます。 私たちはそうしませんでした。この業種では、サイトを大きくしても結果が変わらないと判断したからです。
代わりに、Googleビジネスプロフィールを整え、1ページを丁寧に作り、更新の手間がかからない形にしました。
無理をして作る必要はありません。ただ、結果は出す必要があります。
小さなお店で、限られた予算で、それでも成果を出したい。そんな方は、お気軽にご相談ください。まず「作らなくていいもの」からご相談できます。