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建材卸 三重県

売る前に、市場をつくる。一般社団法人WCG様

売る前に、市場をつくる。一般社団法人WCG様

スペイン発、100%完全防水のマイクロセメント「シメントアート」。 8年以上の研究を経て開発され、ヨーロッパで注目されている特殊左官材です。

それを、日本にまだ誰も知らない状態から広げていく。

一般社団法人WCG様のこの事業に、立ち上げの段階からご一緒させていただいています。

内容詳細
クライアント一般社団法人WCG 様
事業スペイン発マイクロセメント「シメントアート」の日本導入・販売網構築
ご支援内容市場調査・SWOT分析・ターゲット選定・要件定義・Webデザイン・実装・動的機能開発
進め方アジャイル型(事業の進行に合わせて継続開発)
状況伴走支援を継続中
サイトhttps://cimentartjapan.jp/

最初にしたのは、サイトの話ではありませんでした

サイトを作る前に、市場を調べた

一般社団法人WCG様|シメントアート日本導入プロジェクトの進め方

よくある進め方
  • ご依頼
  • デザイン
  • 実装
  • 公開

日本初上陸の商材では、公開しても見に来る人がまだいない。
商品名で検索する人も、扱える職人も、比べる相場も存在しないため。

今回は、ここから始めました
PHASE 1 / 事業の話
  1. 市場調査

    日本の建築市場の、どこに入り込めるのか。

  2. ターゲット選定

    最初に動いてくれるのは、誰なのか。

  3. SWOT分析

    既存の材料と比べて、どこが強く、どこが弱いのか。

ここで、方針が決まる
PHASE 2 / サイトの話
  1. 要件定義

    誰に向けて、何を、どう見せるサイトにするのか。

  2. デザイン・実装

    決まった方針を、画面の形にしていく。

ご依頼をいただいて最初に取りかかったのは、デザインではありません。市場調査でした。

理由は単純です。この商品を買える状態が、日本にまだできていなかったからです。

日本初上陸という言葉は、こういう状態を意味します。商品名で検索する人がいない。扱える職人がいない。モルタルなのか塗料なのか、比較の枠組みも定まっていない。高いのか安いのかを判断する相場もない。

この状態で見栄えのいいサイトを作っても、動きません。 見に来る人が、まだいないからです。

そこで、市場調査・ターゲット選定・SWOT分析から着手しました。日本の建築市場のどこに入り込めるのか。既存の材料と比べて、どこが強く、どこが弱いのか。そして——最初に動いてくれるのは、誰なのか。

「どんなサイトにするか」が決まったのは、その後です。サイトの設計は、事業の設計の一部でした。

読者は、施主ではなかった

調査を通してはっきりしたのが、このサイトを誰に向けて作るのかでした。

建築材料のサイトと聞くと、家を建てる方やリフォームを考えている方を想像します。このサイトは違います。

読者は、職人と販売店です。意匠性の高い仕上げを手がける左官・塗装の職人。新しい材料を扱いたい建材商社。施工の幅を広げたい工務店や内装業者。

理由は、この事業の順序にあります。

施主が「この材料で仕上げたい」と思っても、施工できる職人が近くにいなければ実現しません。

つまり、需要をいくら喚起しても、受け止める側がいなければ空振りに終わります。供給側を先につくらないと、需要側が動かせない。 だから最初に集めるべきは、買う人ではなく扱う人でした。

サイトの構成も、そこに合わせています。販売店一覧、認定施工店、製品情報、施工事例、そして「全国各地・販売店募集中」。

これは商品カタログではありません。販売網をつくるための場所です。

載せるべきは、使い方だった

サンプル請求ページ
製品詳細ページ

職人に向けたサイトで、いちばん必要とされる情報は何か。使い方です。

新しい材料を試すとき、職人が最初に知りたいのは「かっこいいかどうか」ではありません。下地に何が要るのか。何回塗るのか。乾燥時間は。どの製品と組み合わせるのか。失敗するとしたら、どこでか。

そこで、製品ごとに使用方法の詳細ページを設けました。ストーン、アクアクオーツ、アクアマイクロコンクリート、メタリック、アクアネイチャー。それぞれに専用のページがあります。

これは営業資料ではなく、実務資料です。

そして実務資料は、信頼のつくり方としても効きます。 使い方を細かく公開している会社は、隠していない会社に見えます。新しい材料を採用するか迷っている職人にとって、ここは大きな判断材料になります。

F☆☆☆☆(ホルムアルデヒド放散等級の最高区分)やISO取得の明示も、同じ理由です。仕事で使う人にとっては、デザインより先に確認したい項目だからです。

検索も、職人の言葉で設計する

検索対策も、読者に合わせました。

一般の方が使う言葉と、職人が使う言葉は違います。「おしゃれな床にしたい」と検索する人と、「マイクロセメント 施工」と検索する人では、必要な情報がまるで違います。

このサイトが拾うべきは後者です。

講習会に関心を持つ方や、意匠性の高い仕上げを手がける方が実際に使う言葉。材料名、工法名、比較対象になる既存材料の名前。そこに正しく当たるよう、ページの構成と言葉を組み立てました。

商品名での指名検索がゼロから始まる事業では、「まだ名前を知らない人が、何と入力するか」を当てにいくしかありません。

事業と一緒に、育てていく

このサイトは完成していません。意図的にです。

事業そのものが、今まさに動いている最中だからです。販売店が増え、施工事例が積み上がり、講習と認定の仕組みが整っていく。その変化に合わせて、サイトも変わり続ける必要があります。

そこでアジャイル型で開発を進めています。講習会やお問い合わせといった動的な機能も、必要になった段階から順に実装してきました。今後も追加していく予定です。

新しい事業のサイトを、最初から完成形として設計することはできません。 事業の形が、まだ決まっていないからです。決まった順に作る。それがいちばん無駄がありません。

広告は、調査の続きだった

サイトを育てるのと並行して、Meta広告(Instagram・Facebook)の運用も担当しています。

出稿先にMetaを選んだ理由は、2つあります。

ひとつは、商材が視覚的だからです。シメントアートの価値は、質感と色と仕上がりにあります。文章で説明するより、画像で見せたほうが早い。検索広告は「すでに探している人」にしか届きませんが、Metaなら「まだ探していない人」の画面に、いきなり仕上がりを出せます。 名前を知られていない商材にとって、ここは大きな違いです。

もうひとつは、職人がInstagramを使っているからです。左官や塗装の世界では、自分の仕事を写真で発信されている方が多くいます。届けたい相手が、すでにその場所にいました。

そしてターゲティングの設定は、01でお伝えした市場調査の続きです。

誰に向けるかは、広告を始める段階で考えたことではありません。事業を始める前の調査で、すでに決まっていました。 広告の運用は、そこで引いた線をなぞる作業でした。

数ではなく、誰が集まったか

Instagramのフォロワーは、約1年半で3,500人を超えました。

一般消費者向けのブランドであれば、これは大きな数字ではありません。ただ、この事業では意味が違います。

集まっているのは、左官・塗装の職人、建材を扱う事業者、内装や設計に携わる方々です。扱える人を増やすことが事業の目的である以上、必要なのは人数ではなく、その人たちが誰なのかでした。

日本での知名度がゼロだった商材が、業界のなかで少しずつ名前を知られていく。その手応えが、数字として見えるようになってきています。

単価が低いのは、狙いが絞れているから

  • クリック単価(CPC):10〜15円台で推移
  • コンバージョン率(CVR):高い水準を維持

CPCがこの水準に収まっているのは、狙う相手が絞れているからだと考えています。

関心のない人に広く配るほど、単価は上がります。逆に、届けたい相手の輪郭がはっきりしているほど、無駄打ちが減ります。最初に調査へ時間をかけたことが、広告費という形でここに返ってきています。

事業の設計と、広告の効率は、別の話ではありません。

出して終わりにしない

広告は、設定して放置すると必ず劣化します。同じ画像を見続けた人は反応しなくなりますし、季節や事業の状況によっても効き方が変わります。

そこで、定期的なレポーティングと評価を行い、A/Bテストを回しながら運用しています。画像、文言、訴求の切り口を並べて比べ、良かったほうを残す。サイトの開発と同じ、アジャイル型の考え方です。

広告も、一度で正解にはたどり着けません。

株式会社ASAKURA代表

株式会社 ASAKURA

朝倉 健介

日本にまだ無いものを持ってくる、という仕事に関わらせていただきました。

材料が良いことと、売れることは別です。誰も知らない材料は、誰も検索しません。だから最初にやったのは、サイトの話ではなく、市場の話でした。誰が最初のお客様になるのか。その人たちは今、何に困っているのか。そこが決まってから、ようやくサイトの設計に入りました。

事業そのものがまだ動いている最中なので、サイトも完成していません。これでいいと思っています。事業が変われば、サイトも変わるべきだからです。

まとめ

良い商品であることと、売れることは、別の話です。

日本にまだ無いものを広げるとき、最初に必要なのはWebサイトではありません。誰が最初のお客様になるのかを見極めることです。

今回、その答えは施主ではなく職人でした。だからサイトは、商品カタログではなく販売網をつくる場所になりました。設計の順番は、事業の構造から決まります。

新しい商材の日本展開や、新規事業の立ち上げをお考えの方は、お気軽にご相談ください。サイトの話の前に、市場の話からご一緒できます。